イベルメクチンが新型コロナウイルスから人類を救う可能性|福岡市博多区内科・糖尿病内科|山本診療所

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院長コラム

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イベルメクチンが新型コロナウイルスから人類を救う可能性

院長コラム

 

イベルメクチンにおける世界的論争

 

Anyone who conducts an argument by appealing to Authority is not using his intelligence, he is just using his memory.

 

新型コロナウイルスの予防治療薬としてイベルメクチン(Ivermectin)が世界的に嵐のような大きな議論を巻き起こしています。 このイベルメクチンをめぐる論争は、1991年より世界の医学界を席捲してきた「Evidence-Based Medicine ( EBM 科学的根拠に基づく医療)」という既に古ぼけた慣習(old-fashioned)ともなっているある一つの医学的教義(medical dogma)に対する臨床の最前線で診療している真摯な医師達の造反ともとらえることができ医学における歴史的な動きであると考えています。私自身はイベルメクチンを新型コロナウイルスに対して実際に臨床に使用した経験はありませんが、この世界的危機に際して、医師としての責務として、新しい視点で、文献などからの私の考察を述べていきたいと思います。

イベルメクチンの歴史

1974年に北里大学の大村智教授( Prof.  Satoshi Omura)が日本の土の中から発見したStreptomyces avermectiniusという細菌(放線菌)の珍種からエバーメクチン(avermectin)という寄生虫に有効な化学物質が分離されました。そしてその誘導体であるイベルメクチン(ivermectin)がまずは動物の抗寄生虫薬として登場して多くの動物の命を救いました。更に1988年からは人間に使用されるようになりアフリカなどの熱帯国で流行していたオンコセルカ症 (onchocerciasis)やリンパ系フィラリア症 (lymphatic filariasis)など寄生虫による難病を撲滅寸前まで追い込んだ驚異の薬です。オンコセルカ症は目に寄生虫が食い込んでいき失明する疾患です。リンパ系フィラリア症はリンパ系が障害され足などが象のように腫れていき患者を苦しめます。大村先生はその功績で2015年にノーベル生理学医学賞を受賞されています。イベルメクチンは今も世界中で億単位の人々を救い続けている、ペニシリン、アスピリンに匹敵する歴史的な驚異の薬(Wonder drug), ノーベル賞受賞薬(Award-winning drug)なのです

イベルメクチンの作用

構造的にはマクロライド系抗生物質に似た経口薬ですが、mg単位の少量でしかも寄生虫に対しては通常1~2回の服用で有効です。寄生虫に対しては神経伝達物質阻害薬として作用しますが、哺乳類には影響しないことが判明しています。そのため副作用も極めて少ないことが過去30年以上の臨床で証明されています。

更に2012年には抗ウイルス作用があることが発見され「抗ウイルス薬」としての研究がインフルエンザやHIVなどRNAウイルスに対して既に世界で行われていました。そして2020年からは新型コロナウイルスに対する臨床研究が熱帯国を中心に一斉に行われていたのです。作用機序としては、スパイク蛋白など様々なウイルスタンパクと結合して新型コロナウイルスの侵入や増殖を阻害すると考えられています。またその強力な抗炎症作用がいわゆるサイトカインストームにも有効ではないかと推測されています。

イベルメクチンの新型コロナウイルスに対する治験

実際に2020年から世界中で特に熱帯諸国でイベルメクチンの新型コロナウイルスに対する多くの治験が行われています。製薬会社主導(pharmaceutical company-conducted)ではなく各国の優秀な医師達が誠実に治験を行っており(doctor -conducted)、一つ一つの治験規模は数十人から数百人と比較的小さいのですが、ほとんどの研究が有効性を示しています。しかも予防から軽中等症、重症まですべての段階で効果があるのです。実際の効果を医師や患者達が肌で感じているという印象です。

これらの研究結果や実際の臨床経験を踏まえて米国のFLCCC(The Front-line COVID-19 Critical Care Alliance)、英国のBIRD(The British Ivermectin Recommendation Development Group)という医師や医学研究者としての洗練された倫理観を持つ優秀な専門家達の連盟がイベルメクチンを新型コロナウイルスに対する予防治療薬として世界中で使用することを推奨し活動しています。FLCCCの分析によると現在世界で72の臨床研究が発表されており、680人の医師や科学者と56692人の患者が関与しています。その内31は無作為比較試験(Randamized controlled trials)です。予防では83%の相対リスク低下初期治療では66%の相対リスク低下治療が遅くなった場合でも35%の相対リスク低下死亡率は55%の相対リスク低下が指摘されています。なおこれらの72研究にはエジプトからの論文など研究内容に疑問を指摘されていた研究は除外されています。また逆に数少ないイベルメクチンが無効であるとした論文であるコロンビアからのJAMA掲載論文やカナダのTogether試験などの研究もその研究方法に大きな問題があると指摘されていることを知っておく必要があります。

イベルメクチンに対する批判とEBMの非科学性

イベルメクチンの新型コロナウイルス感染に対する治療効果についてはEBMの信奉者達によるエビデンスが不十分であるという批判が多く見受けられます。そしてイベルメクチンは現時点ではWHOと米国のFDAは有効であるという証拠がないとして認可を否定しています。その根拠の一つは治験に参加した患者の数が少ないというものです。しかしこれは数千人規模の大規模ランダム化臨床試験を要求する従来の巨大製薬会社(Big Pharma)のための論理なのです。

EBMは大規模無作為比較試験( a large-scale randomized controlled trial )を最も重視します。しかし研究規模でいわゆるエビデンスレベルが決まる訳ではないということを再認識する必要があります。数が多ければ多いほどよいと考えるのは正しいとは言えません。小さな統計的有意差を引き出すためには数を多くする必要があり、数を多くして統計的有意差が出る薬剤は効果も大したことはないとも言えるのです。逆に比較的少ない数で統計的有意差が出る薬剤はその効果も大きいと推定することも可能です。またそのような大規模臨床試験は莫大な資金と労力が必要でBig Pharma( 巨大製薬会社)にしかできません。しかも通常1回きりの試験です。別の視点から言えば捏造すらも可能です。追試がほぼ不可能であり、自然科学の第一原則である再現性(replication)を無視した論理です。すなわち科学ではないのです。エビデンス(evidence)という言葉自体が本来は自然科学のものではなく数学や法律用語です。子供たちが遊び仲間で「それなら証拠をみせろ(Prove it !)」と相手を追い込めることをやりますが、EBMはまさにそれを思い起こさせます。

1991年から最も科学的ではないものを科学的と主張してEBM(Evidence-based Medicine: 科学的証拠に基づく医療)は世界中の医師達を洗脳してきました。ただし医学以外の自然科学の科学者達からはEBMは真の科学ではないことが指摘されています。EBMはmedicineではなく従来のclinical epidemiology(臨床疫学)へ回帰するべきものです。比較的小さい規模の研究でも多くの研究者が追試して同様な効果を認めれば、自然科学の第一条件である再現性(replication)を満たすことになり真の科学的根拠となり得ます。その視点からもイベルメクチンは小中規模ながら多くの研究結果が有効性の点で一致しており再現性が証明されていると考えるべきであり既に科学的証拠は十分あると判断すべきであると考えられます。イベルメクチンは単なる集団の「平均」ではなく「個」の患者を対象として自然科学の原則も大切にしたより高い次元の新しい医学の幕を開く可能性のある驚異の薬なのです。生命力を感じさせない非科学的EBMへの教条的固執(dogmatic adherence)と決別すべき新しい時代が到来したのです。歴史的にも「科学的」という表現は人を欺くときに使われる危険性があることを常に念頭に置く必要があります。

日本におけるイベルメクチンの新型コロナウイルスに対する治験

なお日本では大村先生が現在86歳とご健在で北里大学が中心となり日本の製薬会社である興和株式会社と協力してイベルメクチンの日本人新型コロナウイルス患者に対する治験が誠実に行われています。2022年には治験結果が出ることが期待されており、日本がイベルメクチンを正式に認可するかどうかが、日本だけでなく世界の未来の分岐点になると考えています. 過去30年以上の歴史がありアスピリンより安全と言われているその極めて珍しい程の安全性が証明されている以上、医師の倫理観である「ヒポクラテスの誓い(Hippocratic oath)」にもある「まず第一に、汝患者を害するなかれ ( Above all, Do not harm)」に背かない薬剤でありこの人類の危機において日本が率先して緊急使用の認可を検討すべきであると考えられます。

北里大学と興和株式会社の気高い使命感に敬意と感謝を表したい思います。

イベルメクチンとメトホルミン

イベルメクチンは糖尿病薬として現在世界中で使われているメトホルミン(metformin)という薬剤を思い出させます。この薬剤は1922年にアイルランドの研究者によりガレガソウという薬用植物から作り出され1950年代になりフランスの臨床医Jean Sterneらにより糖尿病の治療薬としての可能性が確立されたノーベル賞に値する薬剤です。イベルメクチンの様に多彩な薬理作用がありそして安全です。その後評価されなかった時期がありましたが1995年頃より復活して現在では糖尿病の第一選択薬として世界中で多くの人々を救っている薬です。そして既に特許は切れており安価です。現在の糖尿病の薬物治療はこのメトホルミンが基本薬となり、それでも血糖コントロールが困難な方には他の薬剤を組み合わせていくというのが世界的な治療方針となっています。新型コロナウイルス感染症もイベルメクチンが基本薬となり、それでも改善しない方に他の新薬を加えるという方針が理にかなっているように感じます。現在開発中の新型コロナウイルスに対する経口薬とイベルメクチンは共存していけるはずです。

臨床医の原点から見たイベルメクチン

イベルメクチンの新型コロナウイルスへの適応について、まずはイベルメクチンがこの30年以上の間に億単位の人々を救ってきた歴史を噛みしめ高い次元から考え始めるべきであると考えます。武者小路実篤の「愛と死」は婚約者の帰国を待つ二十歳位の美しい娘がスペイン風邪に罹患しわずか数日で死亡するという悲しい物語です。医師は統計的数字で遊ぶのではなく患者の命を助けるという臨床医の原点に戻つてイベルメクチンのことを研究すべきだと考えていますlet doctors be doctors)。

イベルメクチンは主に経済的に恵まれない世界の国々の億単位の人々を病の苦しみから解き放した薬剤です。そしてこの薬は日本の土から日本の研究者の並外れた努力により生まれました。何か真に高貴(noble)なるものを知った時の密かな感動を覚えるのは私だけでしょうか。更に素晴らしいことはイベルメクチンは特許が既に切れており安価な薬でもあり世界中の人々が服用可能であるということです。そして今、世界中の人々を病で苦しめ、更には貧困へと追い込もうとしているこの混沌たる状況から人類を解放する大きな可能性をイベルメクチンは秘めているのです。

参考文献

1. Andy Crump, Satoshi Omura   Ivermectin, ‘ Wonder drug’ from Japan: the human use perspective  Proceedings of the Japanese Academy 2011

2. Morimasa Yanagisawa, Satoshi Omura et al.  Global trends in clinical studies of ivermectin in COVID-19 The Japanese Journal of antibiotics 2021

3. Kori Pierre et al.  Review of emerging evidence demonstrating the efficacy of ivermectin in the prophylaxis and treatment of COVID-19  American Journal of Therapeutics 2021

4. Andrew Bryant, Theresa A. Laurie et al.  Ivermectin for prevention and treatment of COVID-19 Infection: A systematic review, meta-analysis, and trial sequential analysis to inform clinical guidelines  American Journal of Therapeutics 2021

5. FLCCC : covid19.criticalcare.com

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