Doctor’s columm
新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっています。80%は軽症ですが、20%が肺炎を引き起こし致死的な間質性肺炎を引き起こす場合があると言われています。医学的予防は今や緊急を要しています。私はビタミンCの服用がその長い歴史的な経験の蓄積から最も重要であると考えています。先日カナダに本部のあるビタミン大量療法の国際的学会であるInternational Society for Orthomolecular Medicineからも新型コロナウイルス感染予防のためビタミンCを1日3g以上服用することが提唱されています。
糖尿病の方は慢性高血糖のため免疫低下の状態であり、感染症に罹患、重症化しやすいと考えられています。免疫力強化のためまずは食事、運動そして必要に応じた薬物療法により血糖コントロールをより厳格に良好にしなければなりません。更に重要なことはビタミンCを補完することです。糖尿病ではビタミンCの血中濃度低下や細胞内濃度の低下が起こっていることが指摘されており、糖尿病の病態の一つはビタミンC欠乏であり糖尿病性血管合併症がいわゆる壊血病(ビタミンC欠乏症)の病状と類似しているとする研究があります。また壊血病が免疫低下を引き起こすことも知られています。糖尿病の方は潜在的ビタミンC欠乏(潜在的壊血病)があると考えるべきなのです。
ビタミンCの抗ウイルス剤としての研究は長い歴史があります。
ビタミンC(アスコルビン酸)は1928年にAlbert Szent-Gyorgyiによって分離されました。1949年には米国のFrederick Klennerによってポリオウイルス(小児麻痺ウイルス)に対するビタミンC大量療法の有効性が報告されています。その後もウイルス性肺炎、インフルエンザ、そして1970年Linus Paulingによる感冒ウイルスに対するビタミンCの有効性など多くのウイルス疾患への効果が報告されています。ビタミンCの抗ウイルス剤としての機序は、インターフェロンの産生の促進、白血球貪食能の増強、抗体やTリンパ球産生の亢進などの免疫強化、直接的な抗ウイルス作用、免疫反応の結果産生される活性酸素除去作用の三つが考えられます。
ビタミンCは半減期が短いため、一日一回の服用では効果は期待できません。最低でも一日三回服用することが重要です。糖尿病の方はビタミンCをg単位で可能ならば一日3g以上を一日三回に分けて摂取することが新型コロナ感染予防だけでなく他の糖尿病合併症予防にもなると考えています。ただしビタミンCは下痢を引き起こすことがありますからその時は一回量を減量する必要があります。
ところで先日「アビガン(ファビピラビル)」が新型コロナウイルスに対する切り札であり、現時点でこれ以上の抗ウイルス薬は幻想であるというアビガン開発者の白木公康先生による日本医事新報への力強い緊急寄稿を拝読しました。期待できそうです。
また今後の日本の気候変化、すなわち気温の上昇、湿度の上昇、紫外線の増強はウイルスより人に有利になると考えられています。
疫病の流行には必ず終わりがあると考え、ビタミンCを服用しながらこの試練を共に乗り越えていっていただきたいと念じています。
関連ブログ:『ビタミンCが人類を救う Linus Pauling』
関連ブログ:『ビタミンCは生命の本質に関与する分子であり生命を守るために不可欠な分子である。』
関連ブログ:『ビタミンDは太陽のビタミンである』
関連ブログ:『高脂肪食は免疫を狂わせる。なぜ新型コロナウイルスによる死亡率が欧米で高いのか?』
関連ブログ:『高脂肪食は新型コロナウイルス感染を重症化させる』
関連ブログ:『新型コロナ肺炎にビタミンC経静脈投与は有効である場合がある 最新論文から』
関連ブログ:『白米を食べると糖尿病になるという虚構について』
関連ブログ:『イベルメクチンが新型コロナウイルスから人類を救う可能性』